日本国内のいちご卸売市場の規模はなんと1,748億円、市場を経由しない分も含めると2,500億円規模とも言われています。さらに、世界的にもいちご市場は約10%の成長率を見せており、年々その人気は高まるばかりです。
本記事では、いちごの価格がどのように変動するのか、またその価格がどう決まるのかについて、詳しく解説していきます。飲食店・スイーツ店など業務用でいちごを扱う方はもちろん、日常的にいちごを楽しむ方にも役立つ情報をお届けします。
いちごの価格はこう動く!月別相場グラフで見る年間トレンド
いちごは本来、3月から5月にかけてが旬とされる果物です。しかし近年では需要の増加と栽培技術の向上により、10月から収穫が始まり、6月上旬まで出荷されるようになっています。特に春先は出荷量がピークを迎え、価格が最も安定する時期。このタイミングは、いちごをたっぷり楽しむ絶好のチャンスと言えるでしょう。
▼主要産地の収穫時期
多くのいちごは現在、ハウス栽培によって育てられています。これにより天候の影響を受けにくくなり、一定の品質と出荷量を保つことが可能になりました。また、夏場でも冷涼地や高冷地では収穫が可能となり、年間を通していちごを楽しめる体制が整いつつあります。
農畜産業振興機構のデータによると、収穫量の多い3月から5月は市場の需給バランスがとれ、価格も比較的安定しています。しかし、7月から10月は国内の出荷量が激減し、価格は1kgあたり2,500円から2,900円と高騰。さらに、クリスマス需要が高まる12月は1kgあたり3,500円にまで上昇します。
これは、ケーキなどのスイーツ業界での年間需要が常にある一方で、国産いちごの「端境期」による供給不足が原因です。この時期は海外からの輸入いちごが市場を補完しています。
▼いちご月別入荷
夏時期にいちごが不足している理由は?
収穫量が減少している要因は、昨年夏の猛暑や冬の寒波による影響で生育が悪化し「猛暑の影響で正常な花の数が減っていて、いちごの大きさも小さい傾向がある」「初秋でも暑い日が長く続き、花の付くのが遅かった」などの理由が考えられます。
▼夏場ハウスの温度は40℃を超え夏いちごの生育には大きな影響を与える
いちごの味わいのピークはいつ?季節ごとの甘さと香りの変化を楽しむ
いちごは季節ごとにその味わいや香りが変化する、まさに自然の恵みを感じられる果物です。では、いちごの味わいで最も「おいしい」と感じられるのはどの時期でしょうか?
冬から春にかけてのいちご:甘さと香りのバランスが絶妙
いちごの旬である2月から4月にかけては、いちごの甘さと香りが最も引き立つ時期。この時期のいちごは、寒い環境でじっくりと育つため、糖度が高く、濃厚な甘さが特徴です。また、香りも豊かで、ひと口食べるだけで春の訪れを感じることができます。

初夏のいちご:冬いちごと夏いちごが同時に味わえる時期
春〜夏は柔らか目の食感に
5月から6月にかけてのいちごは、気温が上がることでさらに甘さが増します。ただし、春のいちごに比べると食感が柔らか目の傾向があります。この時期のいちごは、そのまま食べるのはもちろん、ジャムやソースに加工するのにも適しています。
6月~11月:酸味が際立つフレッシュな味わい
近年では、技術の進化により6月頃から収穫が始まる夏いちごも増えています。この時期のいちごは、酸味が強めで硬めの食感でフレッシュな味わいが特徴。甘さが控えめな分、ケーキやデザートのアクセントとしても人気です。
季節ごとのいちごを楽しむコツ
いちごは季節によって味わいが異なるため、その時期に合った楽しみ方を見つけるのがポイントです。冬から春にかけてはそのまま食べて甘さを堪能し、初夏には加工して新たな味わいを発見するのもおすすめです。
いちごの味わいのピークは、季節ごとの変化を楽しむ中で見つけることができます。ぜひ、旬のいちごを味わいながら、季節の移ろいを感じてみてください。
産地別、出荷時期のピークはここだ
いちごの価格や供給量は、地域ごとの出荷時期にも密接に関係しています。主要な産地とその出荷時期を見てみましょう。
- 福岡県(あまおう):12月〜4月
- 栃木県(とちおとめ):12月〜5月
- 静岡県(紅ほっぺ):11月〜5月
- 長野県(すずあかねなど):6月〜10月(夏秋いちご)
- 北海道:7月〜10月(冷涼地の夏秋いちご)
地域ごとの気候や栽培技術の違いにより、出荷ピークはばらつきがありますが、この多様性が年間を通じたいちご供給を支えています。出荷地と時期を押さえておくと、安定した仕入れにもつながります。
東京都中央卸売市場データから読み解く「買いどき」は4〜5月
東京都中央卸売市場の統計データからも、「いちごの買いどき」が明らかになります。年間を通じた平均卸売価格を見ると、4月から5月にかけて価格が最も安定かつ低水準で推移しています。
理由は明快で、3月末〜5月にかけて全国的に出荷量がピークを迎えるため。供給が潤沢になり、価格が自然と下がるのです。また、この時期は品質も高く、鮮度や糖度のバランスが良いいちごが多く出回ります。
業務用での大量仕入れを考えている場合、4月〜5月はコストパフォーマンスの面でも非常に優れた時期といえます。冷凍保存や加工用として仕入れるのにも適したタイミングです。
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6月から11月までのイチゴは、どこから来る?
夏から秋にかけてのいちごは、主に「夏秋いちご」と呼ばれる四季成り性の品種が栽培されています。この時期の主な産地は以下の通りです。
- 北海道・青森・長野・広島などの冷涼地
- 海外(アメリカ、韓国など)
夏秋いちごは、甘さと酸味のバランスが良く、果肉がしっかりしているのが特徴です。ただし、一般のスーパーではほとんど見かけることはなく、業務用として流通するのが一般的です。
また、オフシーズンとなるこの時期は輸入いちごの需要も高まります。ケーキやデザートなど年間を通していちごを必要とする業種にとって、輸入いちごや夏秋いちごは重要な供給源です。
▼業務用いちご
また、国内だけでなく、輸入いちごもこの時期に流通しています。特にケーキやデザートなど業務用として需要が高く、輸入品が補完的な役割を果たしています。
▼輸入いちご
夏秋いちごは、通常の冬春いちごとは異なる品種で、甘さや酸味のバランスが特徴的です。この時期ならではのいちごの味わいを楽しむのも良いですね!
業務用いちごと、スーパーのいちごの違いは?
いちごには「業務用」と「一般家庭向け(スーパー向け)」の2つの流通ルートがあります。それぞれに以下のような特徴があります。
業務用いちご
- 用途: 主にケーキやデザート、スムージーなどの加工食品に使用されます。
- 形状・品質: いちごの形にくり抜いたシート状での発送。入り数やサイズ、品質が管理されていて使用しやすい。
- 冷凍いちごやピューレ、ソースなど、加工しやすい形態で提供されることが多いです。特殊冷凍技術を用いて、鮮度や品質を保ちながら保存されるものもあります。
- 価格: 大量仕入れが可能で、コストを抑えやすいのが特徴です。
- 供給元: 国内産だけでなく、輸入品も多く流通しており、特にオフシーズンには輸入いちごが活用されます。
- 見た目: 形や見た目にすぐれた、味や品質が重視される場合の秀品・優品や加工しやすい規格外など選択が可能。
スーパーのいちご
- 用途: 主に家庭でそのまま食べるために購入されます。
- 形状・品質: 見た目が美しく、形が整ったものが選ばれる傾向があります。鮮度が高く、香りや甘さが重視されます。
- 価格: 季節や産地によって変動しますが、業務用に比べて高めになることが多いです。
- 供給元: 主に国内産が中心で、地域ごとのブランドいちごが多く並びます。
- 見た目: 消費者の目を引くため、色鮮やかで形の良いものが選ばれます。
業務用いちごは加工や保存のしやすさを重視し、スーパーのいちごは見た目や鮮度を重視している点が大きな違いです。それぞれの特徴を理解して、用途に合ったいちごを選ぶのがポイントです。
夏いちごを仕入れるなら、Japan Fruits
いちごは一年を通じて楽しめる果物となりつつありますが、価格は季節や供給状況、産地に大きく左右されます。安くておいしいいちごを手に入れたいなら、春(特に4〜5月)がベストタイミング。業務用であれば、夏秋いちごや輸入いちごとの上手な付き合い方もカギになります。
また、いちごの味や香りは季節によって異なるため、時期ごとの特徴を理解し、最適な食べ方・仕入れ方を見つけることが、いちごを最大限に楽しむためのポイントです。
いちごを通じて、季節の移ろいや農業の知恵、流通の仕組みにも目を向けてみてはいかがでしょうか?
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