
甘くてジューシーなイチゴは、日本全国で愛されるフルーツですが、品種によって味わいや用途が大きく異なります。
たとえば、スイーツ向けイチゴは甘味と酸味のバランスが重要で、ジャム用なら加工しやすい果肉の柔らかさが求められます。
一般的に、イチゴは冬から春が旬です。
7月~11月は流通量が減少しますが、それでも夏場でも安定供給できる品種やハウス栽培や冷凍イチゴの活用で、年間を通じて楽しめます。
この記事では、2025年に注目の人気イチゴ品種をランキング形式でご紹介するほか、用途別の選び方も解説します。
1. イチゴの栽培品種は300種以上!どんな違いがある?
イチゴは、日本国内だけでも300種類以上の品種が栽培されており、それぞれに特徴があります。甘さや酸味のバランス、果肉の食感、収穫時期など、多様なバリエーションがあるので、用途や好みに合わせて選ぶことが重要です。
イチゴの主な違いを、以下3つの観点から解説します。
- 味の違い
- サイズ・形状・見た目の違い
- 収穫時期の違い
上から順番に、詳しく見ていきましょう。

1-1. 味の違い:甘さ・酸味・ジューシーさ・風味

イチゴの品種によって、甘さや酸味の強さ、果汁の多さが異なります。
たとえば、甘味が強い(=糖度が高い)イチゴには「あまおう」や「とちあいか」、バランスの良いイチゴには「とちおとめ」や「さぬき姫」といった品種があります。
そのほか、独特な風味のあるイチゴには「淡雪(あわゆき)」があり、白イチゴのような特異な味わいが特徴です。
甘味と酸味のバランスは、品種だけでなく地域や栽培環境によっても異なるため、産地ごとの違いも楽しめます。
1-2. サイズ・形状・見た目の違い

イチゴは、品種によってサイズや形状も異なります。
- 大粒の品種:贈答用や高級スイーツとして人気がある
- 小粒の品種:業務用や加工向けに適している
- 円すい型の品種:見栄えがいい
- 球形・扁平型の品種:ユニークな形状で話題性がある
贈答用であれば見た目が美しく大粒の品種、生食なら甘味の強い品種、加工用なら小粒で酸味のあるイチゴを選ぶのが一般的です。

1-3. 収穫時期の違い
イチゴは、品種によって収穫時期にも違いがあります。大きく、「冬春いちご」と「夏秋いちご」に分けられます。
- 冬春いちご(11月~5月頃)
- 夏秋いちご(6月~10月頃)
冬春いちごは日本のいちご市場の主流であり、ハウス栽培が中心です。クリスマスから春にかけて出荷量が増えますが、夏から秋にかけてはイチゴの出荷量は大きく減少します。
※「東京都中央卸売市場 – 統計情報(令和6年度)」を基に筆者が作成
一方、夏や秋でも楽しめる品種もあり、標高の高い地域や冷涼な気候の場所で栽培される場合がほとんどです。
2.人気イチゴ品種の総合ランキングTOP5【2025年最新版】
日本国内では300種類以上のイチゴ品種が栽培されていますが、その中でも特に人気の高い品種をランキング形式でご紹介します。
今回のランキングは、味・食感・人気度・流通量の4つの視点から総合的に評価しました。
- 1位:あまおう(福岡):甘くて大粒、食べ応えがある
- 2位:とちおとめ(栃木):甘さと酸味のバランスがいい
- 3位:紅ほっぺ(静岡):コクのある甘みが特徴
- 4位:もういっこ(宮城):さっぱりとした甘みが特徴
- 5位:さがほのか(佐賀):酸味が少なくて食べやすい
1位の「あまおう」は、福岡県でしか生産されないブランド品種ということもあって希少性があり、高級スーパーやお取り寄せでの需要があります。
2位の「とちおとめ」は、スーパーで見かける機会が多く親しみやすい品種で、万人受けする味わいが魅力です。3位の「紅ほっぺ」は、しっかりした果肉でスイーツの材料としても人気があります。
2-1. コスパ重視の業務用イチゴランキング
コスパを重視した業務用のイチゴを、シーズン別にランキング形式でご紹介します。
2-1-1. 冬春シーズン(11月~5月)
- 1位:とちおとめ/とちあいか(栃木)
- 2位:紅ほっぺ(静岡)
- 3位:さちのか(福岡)
1位の「とちおとめ/とちあいか」は、安定供給が可能な品種です。以前は「とちおとめ」が主流でしたが、近年は品種改良によって「とちあいか」が台頭しています。
2位の「紅ほっぺ」は、果肉の中心まで鮮やかな紅色をしていて、コクのある味わいが特徴です。3位の「さちのか」は酸味が強いので、加工に向いています。
2-1-2. 夏秋シーズン(6月~10月)
- 1位:すずあかね(北海道)
- 2位:サマーリリカル(長野)
- 3位:サマーアミーゴ(徳島)
1位の「すずあかね」は、大粒で丸っこい鈴のような形で、淡い赤色をしている品種です。ほどよい酸味があり、日持ちするため業務用にも適しています。
「サマーリリカル」は、果肉が大きく甘味と酸味のバランスが取れた味わいです。「サマーアミーゴ」は、光沢のある赤色をしていて、香りがよく、輸送に優れるという特徴があります。
3. 夏イチゴとは?主要品種とその特徴
夏イチゴとは、夏から秋にかけて収穫できるイチゴのことです。
一般的なイチゴは冬から春にかけて収穫されますが、夏イチゴは北海道や長野県といった冷涼な環境や標高の高い地域で栽培されます。
暑い季節でも、新鮮な国産イチゴを楽しめることが特徴です。
3-1. 夏イチゴの代表的な品種
代表的な品種には、以下のイチゴがあります。
品種 | 主な産地 | 収穫時期 |
すずあかね | 北海道 | 7月~12月 |
なつおとめ | 栃木 | 6月~11月 |
夏瑞(なつみずき) | 北海道 | 7月~11月 |
「すずあかね」は実が硬く、とにかく日持ちが良いのですが、「夏の時期になると、酸味が強く甘みが薄まる」という特徴があります。
「なつおとめ」は、断面が赤く味が濃いのですが、生産量は多くありません。
「夏瑞(なつみずき)」は、とてもジューシーで、甘味が強い品種です。しかし、8、9月に味が薄くなってしまう点や、日持ちが難しい点が課題なので、到着後すぐに使用するのがおすすめです。
4. イチゴの人気品種20選!
イチゴは品種によって甘さや酸味、食感が異なり、それぞれに個性的な魅力があります。冬から春にかけて市場に多く出回る品種を中心に、冬イチゴなどの珍しいものも含めて、人気のイチゴ20種類をご紹介します。
- あまおう(福岡)
- とちおとめ(栃木)
- あまりん(埼玉)
- とちあいか(栃木)
- さがほのか(佐賀)
- 紅ほっぺ(静岡)
- ゆめのか(愛知)
- 章姫(あきひめ)(静岡)
- かおり野(三重)
- おいCベリー(福岡)
- ひのしずく(熊本)
- やよいひめ(群馬)
- パールホワイト(奈良)
- サマーリリカル(長野)
- すずあかね(北海道)
- ふくはる香(福島)
- 夏瑞(なつみずき)(北海道)
- アスカルビー(奈良)
- さちのか(長崎・熊本)
- さぬき姫(香川)
上から順番に、特徴をご紹介していきます。
人気品種①:あまおう(福岡)
「甘い・丸い・大きい・うまい」の頭文字を取った名前だけあって、濃厚な甘さや粒の大きさが大きな特徴です。
人気品種②:とちおとめ(栃木)
酸味と甘さのバランスが取れた味わいで、果肉がしっかりしていることから需要が多い人気の品種です。
人気品種③:あまりん(埼玉)

「あまりん」は、埼玉県のブランドいちご。平均糖度は18~20度程度、収穫時期は12月〜5月です。鮮やかな赤色と口いっぱいに広がる強い甘さ、贈り物としても利用されています。
人気品種④:とちあいか(栃木)
「とちおとめ」に次ぐ新ブランドとして誕生した品種で、酸味が少なくすっきりとした甘さが特徴です。果肉が硬めで、日持ちしやすい点も魅力です。
人気品種⑤:さがほのか(佐賀)
白っぽい果肉にツヤのある果皮で、果肉が硬めで形が崩れにくく、優しい甘さや強めの香りが特徴的な品種です。
人気品種⑥:紅ほっぺ(静岡)
果皮が鮮やかな赤色であり、果肉の中心まで赤い品種です。コクのある味わいで、甘味と酸味のバランスが良いことも特徴です。
人気品種⑦:ゆめのか(愛知)
果汁が多くジューシーで甘酸っぱさのある品種で、日持ちするためスーパーの店頭に並ぶことが多くなっています。
人気品種⑧:章姫(あきひめ)(静岡)
果実は長い円すい形で、果皮は濃い赤色をしています。果肉はやや柔らかめで、酸味が少ないため甘味が際立つ品種です。
人気品種⑨:かおり野(三重)
大ぶりの果実で果皮は橙色に近い赤色、糖度が高く酸味は少なめの品種です。
人気品種⑩:おいCベリー(福岡)
市販品種の中でビタミンCの含有量が高く、糖度も高いという特徴のある品種です。果皮は光沢のある深い赤色で、形はやや縦長の円すい形です。
人気品種⑪:ひのしずく(熊本)
約18gという大粒のイチゴで、キレイな形をしている品種です。果肉は白くて柔らかく、果汁が多いという特徴があります。
人気品種⑫:やよいひめ(群馬)
「とちおとめ」と「とねほっぺ」という品種のかけ合わせによって誕生した品種で、一般的なイチゴよりも大きめです。甘味が強く、まろやかで風味豊かな味わいがあります。
人気品種⑬:パールホワイト(奈良)
白から桃色がかった白色の果皮に、卵のような形をしている希少な品種です。花や桃のような優しい香りや、瑞々しい食感を特徴としています。
人気品種⑭:サマーリリカル(長野)
夏から秋にかけて収穫可能な品種で、爽やかな甘味とほどよい酸味が特徴です。果肉がしっかりしていて、暑い時期でも品質が安定しています。
人気品種⑮:すずあかね(北海道)
夏イチゴの定番といえる品種であり、涼しい気候で育っても甘味がしっかり乗っていることが特徴です。果肉はやや硬めで揺れで果肉が痛むことが少ないので、業務用として使用されることが多いイチゴです。
人気品種⑯:ふくはる香(福島)
果実は長い円すい形で、果皮が鮮紅色をしています。糖度と酸味が高い品種で、桃のような甘くて爽やかな香りを特徴としています。
人気品種⑰:夏瑞(なつみずき)(北海道)

収穫初期の糖度は、メロン並みの糖度になることもある甘いイチゴです。果実が大きく円すい形であり、ほどよい酸味で香りの良い味わいが楽しめます。
人気品種⑱:アスカルビー(奈良)
鮮やかなルビー色と、大粒の果実が特徴のイチゴです。果肉はやや硬めで、フレッシュで甘い香りなので、スイーツにも適しています。
人気品種⑲:さちのか(長崎・熊本)
鮮やかな濃赤色をした果皮、長円すい形でやや大きめの果形のイチゴです。甘みと酸味のバランスが良く、ビタミンC含有量が多い品種でもあります。
人気品種⑳:さぬき姫(香川)
丸みを帯びた円すい形で、平均18gから19gの大きさのイチゴです。甘味と酸味のバランスに優れていて、上品な味わいと豊かな香りを楽しめます。
5. 業務用イチゴの選び方&仕入れのポイント
イチゴは生食だけでなく、ケーキやスイーツ、ジャムなど幅広い用途で使われる食材ですが、業務用として仕入れる際は「品種」「仕入れルート」「用途別の適正」を踏まえる必要があります。
5-1. 業務用イチゴの特徴とは?
業務用イチゴは、一般消費者向けのものとは異なり、大量購入が前提となるため、以下のようなポイントが重要になります。
- 安定供給:一年を通して仕入れられる品種が理想
- コストパフォーマンス:品質と価格のバランス
- 用途別の適正:「生食向け」「加工向け」を判断
特に、スイーツやジャムといった加工品では、形や大きさよりも味や果肉の状態の方が重視されます。
5-2. 仕入れ先の選び方|3つのルート
業務用イチゴを仕入れる方法は、大きく分けて3つあります。
- 農家直送
- 市場
- ネット通販
それぞれのメリット・デメリットを押さえたうえで、自店舗に最適な方法を選びましょう。
5-2-1. ルート①:農家直送|鮮度がいい!
農家直送は、収穫直後の新鮮なイチゴを入手可能です。品種の指定や規格外品の交渉をしやすいというメリットもあります。
一方で、天候や収穫量に左右されやすく安定供給が難しい場合があるほか、物流コストがかかる場合があります。

5-2-2. ルート②:市場|品揃えが豊富
市場での購入は、量の確保がしやすく継続的な仕入れが可能で、旬の品種を選びやすいです。
しかし、相場の影響から価格が変動しやすいことや、鮮度は農家直送よりも劣る場合があります。

5-2-3. ルート③:ネット通販|手軽に購入できる
通販の購入は24時間注文できるため手間がかからず、規格外品や訳あり品を安価に購入しやすい傾向にあります。
ただ、品種を直接確認できないために当たり外れがあるほか、配送中に痛んでしまうリスクもあります。

5-3. 業務用イチゴの用途別おすすめ品種
業務用イチゴを選ぶ際は、用途に合った品種を選ぶことが重要です。ここでは、以下の観点でおすすめの品種をご紹介します。
- スイーツ向け
- ジャム・加工向け
- 安定供給向け
上から順番に、詳しく説明していきます。
5-3-1. スイーツ店向け|見た目や味が決め手
ケーキやクレープなど、スイーツに使うイチゴは、見た目が美しく、甘さと酸味のバランスのいいものが適しています。
- すずあかね:果肉がしっかりしていて、飾りやすい
- サマーリリカル:夏場でも安定した甘味と酸味
- とちおとめ:酸味と甘みのバランスがよく、全国的に流通

5-3-2. ジャム・加工向け|規格外のイチゴを活用
加工用には、形が不揃いでも味がしっかりした品種や香りのいい品種、規格外のイチゴを選ぶことでコストを抑えられます。
- 訳あり・規格外のイチゴ:サイズ不揃い、傷あり
- 酸味がしっかりした品種:ジャム用イチゴは、甘味と酸味のバランスが大切

5-3-3. 安定供給が可能な品種|通年で仕入れたい場合
一年を通して安定して仕入れられる品種は、業務用イチゴには不可欠です。
- とちおとめ:全国的に流通していて、入手しやすい
- 紅ほっぺ:年中流通が安定している
- すずあかね:比較的、長期間流通している

まとめ イチゴの人気品種を入荷するならJapan Fruits!
イチゴの品種は、目的や用途で選ぶことが大切です。
近年は、夏イチゴ需要の拡大により「すずあかね」や「なつおとめ」といった品種が注目されています。業務用イチゴを仕入れる場合、安定供給が可能な品種を選ぶのがポイントです。
新しい品種は次々と登場しているので、2025年にも新品種が生まれる可能性があるため、最新情報の確認をおすすめします。

【夏いちご納品率98.9%】夏秋いちごを安定して仕入れるならJapanFruitsがおすすめ
夏秋いちごは春に採れるいちごと違って希少価値が高いことが特徴です。さらに、飲食店としても夏や秋にもいちごを使ったメニューを提供できることから業務用として高いニーズがあります。
JapanFruitsでは、農園から直送しているため夏や秋でも品質の高いいちごを提供できます。もし、業務用いちごの仕入れについて不明な点がある場合はお気軽にご連絡ください。
また、今なら通常価格の50%でサンプルをお試しいただけます。JapanFruitsが扱う夏秋いちごがどのようなものかぜひご賞味ください。
お問い合わせやサンプル申し込みはこちらから。
