イチゴは、とても人気のあるフルーツで、スイーツ業界で広く使われています。しかし、イチゴは季節性が強く、夏秋には出荷量が大きく減少します。しかし、ケーキ店などでは季節問わずイチゴのケーキが販売されているのは、なぜでしょうか?ここでは、ケーキ屋さんやクレープ屋さんがいちごを一年中安定的に仕入れる方法について掘り下げていきます。
1. 夏秋時期にイチゴが少ない理由
イチゴの生産は、主に12月〜5月です。夏と秋は気温が高く、イチゴが育つには不向きなため、出荷量が大幅に減少します。また、高温多湿の条件下では、イチゴの病害が発生しやすく、品質の管理が難しくなります。現在夏秋時期に生産されているイチゴは、北海道などの寒冷地や、標高1000m以上の気温が低い場所となっています。
2. 時期別イチゴの出荷量推移
イチゴの供給は季節によって大きく変動します。旬の期間(12月〜6月)には供給量が豊富ですが、夏から秋にかけては天候や病害の影響を受けやすく、市場への供給が減少します。この時期には、海外産のいちごや、冷凍いちごやドライいちごなどが代替品として利用されています。イチゴの1年間を通しての流通量は下図の通りです。国産いちごは農水省の特産果樹動態等調査より、輸入いちごは財務省貿易統計より、月毎の出荷量、輸入量をグラフにすると以下の通りです。
引用元:グローバルフルーツ
3. 夏秋いちごの購入方法
夏秋に新鮮なイチゴを仕入れるためには、国内外の市場を利用する方法があります。例えば、国内産ではなく、アメリカやオーストラリア、韓国など他の地域から輸入することも一つの手段です。国内の場合、市場ではあまりイチゴが流通しないため、果物に特化した卸売企業や、農家直送サービスなどを利用して、新鮮なイチゴを仕入れる方が、安定した仕入れを行えるかもしれません。
2024年度の場合、円安の影響を受けて海外産のイチゴの価格が1.5倍ほどの推移となっているため、海外産と国産の価格差がほとんど無くなっています。これを機会に、国産イチゴの仕入れを検討するのも良いかもしれません。
4. ケーキ店におすすめのイチゴの種類
デザート作りに適したイチゴは、甘みと酸味のバランスが良く、硬めの果実が選ばれます。例えば、「すずあかね」「サマーリリカル」「サマープリンセス」「夏の雫」などの品種が、その特性を満たしています。甘さを重視される場合、「信大BS」「なつみずき」「なつおとめ」などがおすすめです。
5. 一年中安定的にイチゴを購入する方法
- 長期契約: 地元の農家や卸売企業と長期契約を結び、安定供給を確保します。
- 加工品の利用: 冷凍いちごやイチゴピューレ、ドライイチゴなどの加工品を活用します。
- 輸入イチゴの活用: 季節によっては、海外から輸入されたイチゴを利用します。
- 品種の多様化: 様々な品種のイチゴを仕入れることで、一年を通して提供できます。
これらの方法によって、ケーキ屋さんやクレープ屋さんは、季節を問わずに新鮮で美味しいイチゴを提供し続けることができます。